『モモ』と考える時間とお金の秘密
境 毅[著]
「なぜなら時間とはいのちだからです。いのちは心に住まうのです。」(『モモ』)
電子書籍(Kindle版)
「時間がない」とはどういうことか。時間とお金がもっている「神秘」の正体とは?――世の中が穏やかさを失って、焦り、いら立ち、あるいは無気力になる深いわけを、エンデの『モモ』と考える。経済・社会・文化の問題を時間の問題としてとらえ、価値形態論、物象化論の視点もまじえて論じるユニークな本格謎解き。
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造本 四六判上製 288p
価格 定価2860円(本体2600円+税10%)
刊行 2005年3月
ISBN 978-4-902854-04-6
C0036
初版(紙版)書影
目 次
序章 『モモ』
内部と外部
アンチ・ヒーロー
モモとは社会
第一部 時間、いのち、お金
第1章 日常の時間
時間を持てますか
マイスター・ホラのなぞなぞ
それは運動の数
それは精神に刻印された印象
第2章 時間、空間、いのち
時間と空間はつながっている
現存在(人間)がそれなのだ
ハイデッガーの問題点
第3章 ファンタジーとしての時間
一種の音楽
宇宙の時間と人間の時間
時間の花
第4章 時間をつくる
先史時代の発見
人間が時間をつくる
振動としての時間
時間意識の変化
第5章 時間とお金
時間づくりから物づくりへ
オリエントでの都市の形成
ポリスの誕生
アテネの秘密
お金が与えた衝撃
アリストテレスの危惧
時間がお金に
第二部 時間どろぼう
第6章 灰色の男たち
見えない人々
子どもたちの闘いと灰色の男の正体
灰色の男による意志支配
灰色の男たちの生き方
第7章 モモは敗北していた
物語の終幕
灰色の男たちとホラのとりひき
新たなイメージにむけて
第8章 子どもたち
かまってもらえない子どもたち
ビビガール
子どもの家
致死的退屈症
第9章 社会的引きこもり
働けない人たち
社会そのものが病気に
引きこもりとは
スローワーク
第三部 時間貯蓄とお金
第10章 古代の時間貯蓄銀行――神殿
最初の時間貯蓄銀行
古代ギリシアの奴隷制
最初の時間どろぼう
古代ギリシャの時間貯蓄銀行
第11章 中世の時間貯蓄銀行――教会堂
ローマ帝国の遺産
ポスト・ローマ期
中世初期のキリスト教
農民
教会堂建設ブーム
第12章 時間と資本
四つの時間意識
時間の目的
時間貯蓄銀行
第13章 二種類のお金
お金とは何か
現代のお金の弊害
お金の商品化が問題
お金の商品化の実情
現代の時間貯蓄銀行
変動相場制と投機の常態化
第14章 お金の根源
マルクス主義の問題点
お金の秘密
商品からの貨幣の生成
お金は毎日つくられる
お金の謎と物神性
社会的無意識を変えること
第四部 モモの新しい闘い
第15章 モモの新しい村
村人たち
自由の値段
村での暮らし
地域通貨
第16章 迂回作戦
いのちのセーフティネット
ケアと時間
都会の変貌
第五部 新しい思考
第17章 社会有機体
「政治上のユートピア」
文化の捉え方
シュタイナーとのかかわり
シュタイナーとのちがい
第18章 意識の跳躍
二元論にたつ量的思考
客観・主観、二元論の克服
質をどう捉えるか
新しい思考
第19章 エンデと人智学
子安美知子によるシュタイナーの世界
少女モモのリアリティ
エンデとシュタイナー
第20章 科学知と芸術知
形象理念
美とは何か
なぜ子どもたちのために書くのか
第21章 意識の跳躍はすでに起きていた
エンデの提起を活かす
エンデのイメージ
今後の方向性
終章 エンデからのはじまり
著者紹介
境 毅(さかい・たけし/1941-2024)
1988年、京都協同組合運動研究会の会員となり、エル・コープ設立運動に関わる。1993年、生活協同組合エル・コープ設立時に理事に就任。1998年、引きこもりの若者をサポートするNPO法人ニュースタート事務局関西の活動に参加。2003年、NPO法人ワーカーズ・コレクティブ・サポートセンターを設立し代表者となる。2004年、エル・コープ理事を退任し、顧問に就任。NPO法人日本スローワーク協会(社会協同組合B型)設立をサポート。