ブランショ小説選――謎の男トマ 死の宣告 永遠の繰言
モーリス・ブランショ[著]
菅野昭正・三輪秀彦[訳]

ブランショのDNAともいうべき『謎の男トマ』(全面改訳)

鬼才モーリス・ブランショの代表的中短篇小説選集――言葉と恋と死について。言語と人間存在をめぐる謎の海へと回帰する、カタストロフィックな創世記。ここから「ブランショ」が始まる代表作中の代表作『謎の男トマ』。読みやすさで人気の『死の宣告』『永遠の繰言』。永遠の再読を促す、小説という姿の哲学。ブランショ小説との出会いのためのセレクション。


造本 四六判上製 416p
価格 定価3850円(本体3500円+税10%)
刊行 2005年9月
ISBN 978-4-902854-08-4

原書 THOMAS L'OBSCUR (Nouvelle version), Editions GALLIMARD, 1950 ; L'ARRET DE MORT, Editions GALLIMARD, 1948 ; LE RESSASSEMENT ETERNEL, Editions de MINUIT, 1951

●目 次

謎の男トマ(菅野昭正訳)
死の宣告/永遠の繰言(三輪秀彦訳)
解説 菅野昭正

●著者紹介

モーリス・ブランショ(Maurice BLANCHOT/1907-2003)
フランス、ソーヌ・エ・ロワール県のカンに生まれる。20年代にストラスブール大学でエマニュエル・レヴィナスと出会う。1931年より『ジュルナル・デ・デバ』紙の編集に参加。30年代は新聞雑誌に政治的・文学的評論を多数発表。1941年、最初の小説『謎の男トマ』を出版、同年より『ジュルナル・デ・デバ』紙で文芸時評の連載を開始。第二次大戦中のパリでジョルジュ・バタイユと出会う。評論集『文学はいかにして可能か』(1942)、『踏みはずし』(1943)、『火の境界』(1949)、『文学空間』(1955)、『来たるべき書物』(1959)などにおいて、文学と言語、死を考察する比類なき文学理念を構築するいっぽう、小説の創作も並行して行ない、『アミナダブ』(1942)、『至高者』(1948)、『死の宣告』(1948)、『謎の男トマ(新版)』(1950)、『望みのときに』(1951)、『永遠の繰言』(1951)、『私についてこなかった男』(1953)、『最後の人』(1957)、『期待・忘却』(1962)などを出版。後期の主著に、『終わりなき対話』(1969)、『友愛』(1971)、『彼方への一歩』(1973)、『災厄のエクリチュール』(1980)、『明かしえぬ共同体』(1983)など。

●訳者紹介

菅野昭正(かんの・あきまさ/1930-2023)
1953年、東京大学文学部仏文科卒業。明治大学助教授、東京大学教授、白百合女子大学教授を歴任。現在、東京大学名誉教授。主要著書・主要訳書、『詩学創造』(1984、集英社)、『ステファヌ・マラルメ』(1985、中央公論社)、『永井荷風巡歴』(1996、岩波書店)、ナタリー・サロート『プラネタリュウム』(1961、新潮社)、ミラン・クンデラ『不滅』(1992、集英社)、J.M.G.ル・クレジオ『偶然』(2002、集英社)、その他多数(上記諸作品での受賞歴多数)。

三輪秀彦(みわ・ひでひこ/1930-2018)
1953年、東京大学文学部仏文科卒業。国学院大学文学部専任講師、明治大学文学部仏文科教授を歴任。主要著書・主要訳書、ナタリー・サロート『見知らぬ男の肖像』(1960、河出書房)、マルグリット・デュラス『アンデスマ氏の午後・辻公園』(1963、白水社)、『夢の中間に』(1972、集英社)、『三輪秀彦作品集』(2001、能楽書林)、その他多数。