革命ロシアの極東進出――満洲事変前夜まで
斎藤良衛[著]
帝政ロシアから革命のソヴィエト・ロシアへと連続する地政学的リアルポリティクス
帝国主義型の拡張主義とインターナショナルな解放思想のハイブリッド。その具体的行動であるソヴィエト・ロシアの東方進出を、地理的相互関係における政治的問題として考察。第一次世界大戦後、満州事変に至るまでの時期、極東、とりわけ中国本部および満蒙において革命主義のロシアはいかに活動を展開していたか。
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造本 A5判上製 320p
価格 定価7590円(本体6900円+税10%)
刊行 2021年6月
ISBN 978-4-910213-16-3 C0020
目 次
第一章 ソヴィエト露国の極東進出
帝制露国時代の極東進出状況一斑
ソヴィエト露国の極東進出の動機
ソヴィエト露国の東洋進出の準備
進出の経路(コーカサス経路/ペルシャへの進出)
第二章 ソヴィエト露国のシベリア統一
ブレスト・リトウスク条約締結と連合軍の対露態度
連合軍のシベリア出動
シベリア地方政権の興廃
ソヴィエト露国のシベリア蚕食
第三章 ソヴィエト露国の支那赤化
カラハン宣言
ユーリン及びパイクスの支那派遣
ソヴィエト露国の外蒙侵略
ヨッフェの活躍
カラハンの乗り出し
東支鉄道ソ側幹部の積極態度と支那側の反噬
共産インターナショナルの正体
ボロディンの凄腕
赤化運動の蹉跌
東支鉄道に関する露支交渉
索 引
●著者紹介
斎藤良衛(さいとう・りょうえ)1880年生、1956年歿。外交官。法学博士。1908年東京帝国大学法科大学政治学科卒業。1910年外交官及領事官試験合格。天津、漢口、オタワ、福州、ワシントンなどで勤務。東京では主に通商局に勤務し、1926年外務省通商局長、1927年満鉄理事(1930年まで)。1934年外務省嘱託、1940年外務省外交顧問、1941年満鉄最高顧問。主な著書に『支那経済条約論』『支那国際関係概観』『近世東洋外交史序説』『最近支那国際関係』『ソヴィエト露国の極東進出』『外国人ノ対支経済活動ノ法的根拠(第1-6巻)』『対支経済政策ノ或基本問題』『欺かれた歴史』がある。