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英米法と法の近代――法律諸体系の歴史と原理の法学的/哲学的諸解釈
ロスコー・パウンド[著]
高柳賢三[訳]

主要な法律史観の批判と評価、英米法近代化の精神と力、法の歴史性と法の近代性を見据える法学の主体性

何が法律の根拠となり理念となってきたのか。宗教、哲学、民族性から政治、経済、個人の力まで、法律のありようを方向づけた主要素を批判的に評価。法律近代化の精神を示し、新しい状況の中で法律を形成/運用する力はいかにあるべきかを歴史的に説く。安定性と変化性という矛盾する課題を常に原動力とすべき法の立場、変化する現実に対応する立法、司法、法学の主体性。

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造本 A5判上製 288p
価格 定価7590円(本体6900円+税10%)
刊行 2023年1月
ISBN 978-4-910213-35-4 C0032

目 次

訳者はしがき
イギリスその他における法律の発達についての法律学者の解説(H・D・ヘーゼルタイン)
原著者序文

第一講 法律と歴史
第二講 倫理的及び宗教的法律史観
第三講 政治的法律史観
第四講 人種学的及び生物学的法律史観
第五講 経済的法律史観
第六講 大法律家的法律史観
第七講 社会工学的法律史観
索 引

●著訳者紹介

Roscoe Pound(ロスコー・パウンド/1870-1964)
アメリカの法学者、植物学者。ネブラスカ大学で植物学の学士号と修士号を取得。ハーヴァード・ロー・スクールで学び、弁護士資格を取得。ネブラスカ大学で植物学の博士号を取得。1899年からネブラスカ大学で法律を教える。1911年からハーヴァード大学で教え始め、1916年にハーヴァード・ロー・スクールの学部長となる(~1937年)。社会的エンジニアリングとしての法の概念を提唱し、プラグマティストとしてホームズの継承者とみなされている。主要著作に Outlines of Lectures on Jurisprudence (1914), The Spirit of the Common Law (1921), Law and Morals (1924), Criminal Justice in America (1930)がある。

高柳賢三(たかやなぎ・けんぞう/1887-1967)
英米法学者、法学博士。東京帝国大学法科大学卒業。同大学助教授を経て、1921年東京帝国大学法学部教授、1948年退官(名誉教授)。のちに成蹊大学学長(名誉教授)。東京裁判で弁護人を務め、貴族院議員として新憲法案の審議に参加。憲法調査会会長、学士院会員、米国学士院会員、国際比較法学会正会員、国際仲裁裁判所裁判官。主要著作に『英米法講義』(全4巻)、『天皇・憲法第九条』、『極東裁判と国際法』がある。