国際法・国際政治・法哲学――自然法の歴史から世界法の概念まで
恒藤恭[著]
近現代世界動乱の焦点、国際法の歴史性と可能性。問われる国際法の存在/実効性の基盤を説く
国際法が関係する国際政治を論じることの難しさはどこにあるのか。その複合的で重層的な概念構造を歴史的・哲学的に示す。国際法がもつ近代性から、世界法、世界国家の概念とその可能性の意義までを視野に収めた原理的考察。革新派法哲学者恒藤恭の多数の著作の中から国際法と国際政治の関係を論じた主要論考を一冊に。
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造本 A5判上製 256p
価格 定価5390円(本体4900円+税10%)
刊行 2023年3月
ISBN 978-4-910213-37-8 C0032
目 次
序論 世界民の愉悦と悲哀
政治、特に国際政治の概念
国際法と国際政治
国際法と社会契約説
法の技術的理念と国際法社会
国際法社会の構造及び性格について
世界法および世界国家
世界法の本質とその社会的基礎
索 引
●著者紹介
恒藤恭(つねとう・きょう/1888-1967)
法哲学者。1916年京都帝国大学法科大学卒業。同志社大学教授を経て1922年京大助教授、1929年同教授。1933年瀧川事件に際して辞職。その後大阪商科大学(後の大阪市立大学)講師、教授を経て、1949-57年大阪市立大学学長。1946-49年京大教授兼任。1949年学士院会員。1962-65年日本法哲学会理事長。1966年文化功労者。著書に『批判的法律哲学の研究』『国際法及び国際問題』『ジムメルの経済哲学』『羅馬法に於ける慣習法の歴史及理論』『社会と意志』『法律の生命』『価値と文化現象』『法の基本問題』『法的人格者の理論』『新憲法と民主主義』『旧友芥川龍之介』『憲法問題』(復刻版講談社学術文庫)などがあり、訳書にハルムス著『法律哲学概論』、プレハノフ著『マルクス主義の根本問題』などがある。死後出版の論文集には『哲学と法学』『法の精神』『法と道徳』(岩波書店)、『個人と世界と法哲学』(書肆心水)などがある。