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天皇と軍隊――近代日本国家起動の力、その起源と確立
田中惣五郎[著]

一面傲慢、一面卑屈。――この人間像を形成した国内事情と助長した国際事情

近代日本国家機構の頂点と土台、その創出と連結。――幕末の動乱から明治維新の国家統合、そして立憲君主国として先進世界と関わってゆくための道において、天皇はいかにして天皇となり、軍隊はいかにして軍隊となったか。地政学的条件が生み出したものとしての近代日本国家の天皇と軍隊の連結。日本が今なお脱しえずにいる因縁の歴史的成立事情をたどり、ゆがんだ近代性の淵源を探る。

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造本 A5判上製 288p
価格 定価6490円(本体5900円+税10%)
刊行 2023年4月
ISBN 978-4-910213-38-5 C0021

目 次

近代天皇の創出
幕末の天皇
明治期の天皇
跋 天皇はどこへ

近代軍隊の創出
序 立派な軍隊とは
農兵隊的なものから御親兵的なものへ
御親兵前後
徴兵令前後
西南戦争前後
民権運動・軍人勅諭前後

索 引

●著者紹介

田中惣五郎(たなか・そうごろう/1894-1961)
日本近代史家。高田師範卒。順天中学教諭、鎌倉アカデミア講師、明治大学講師を経て、明治大学教授。教育の仕事と並行して社会運動、執筆活動を行い、著作は『日本叛逆家列伝』『東洋社会党考』『幸徳秋水』『吉野作造』『西郷隆盛』『北一輝』(毎日出版文化賞受賞)など50点以上。