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満洲問題・日露戦争・終戦講和――小村外交と国際政局 1901-1905
外務省[編著]信夫淳平[原著]

世紀をこえる権威主義ロシアの侵略と外交の手法

日本の外務当局の立場と見解を克明に伝える第一級の外交歴史著述。多数の引用資料と旧時代式の表記を読みやすく調整した現代版。ロシアによる隣国への占領侵略から外交交渉決裂を経て戦争へ。ロシア連敗の戦局から講和会議開催への流れにおける各国の思惑と行動、その後のロシア反攻の強固な意志を見た各国の思惑と行動。濃密な五年間の軌跡を、外相小村寿太郎を軸とした具体的折衝の詳細な記録が浮き彫りにする。

小村「貴下の言はあたかも戦勝国を代表する者の如くである(笑)」。ウィッテ「ここには戦勝国なく、したがって戦敗国もない」。――敗戦と償金を断固認めないロシアとの講和の経験。いかなる条件が揃ってそれは可能になったか。

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造本 A5判上製 320p
価格 定価7590円(本体6900円+税10%)
刊行 2023年5月
ISBN 978-4-910213-39-2 C0020

目 次

桂内閣の成立
満洲問題の前半
日英協約の締結
満洲問題の後半及び日露の開戦
戦時外交
ポーツマス講和会議

索 引

●著者紹介

信夫淳平(しのぶ・じゅんぺい/1871-1962)
外交官、国際法学者。法学博士。東京高等商業学校(現一橋大学)卒。外務省に入り総領事などをつとめ、1917年退官。早稲田大学講師、『新愛知』(現中日新聞・東京新聞)主筆、中華民国顧問などを経て、1951年早稲田大学教授。1943年『戦時国際法講義』(四巻)で恩賜賞(学士院)受賞。学士院会員。その他の著書に『国際政治論叢』(四巻)『戦時国際法提要』(上下)『海上国際法論』『上海戦と国際法』『近代外交史論』『小村寿太郎』など多数。書肆心水復刻版に『不戦条約論』『明治二大外交 日英同盟と日露戦争』『大正日本外交史』がある。