美と生命――高村光太郎批評文集 (合冊版/電子版限定)

美がもしなかったら、神や仏にすがるよりなかったろう

詩作や彫刻で名高い高村光太郎がエッセイで美を語る。芸術の起原は生命そのものへの驚異感にほかならず、神に代ってこれを人間の手でつくり出したいという熱望が、ついに「芸術」を生み出した。……この根本思想から派生する「美と生命」をめぐる約百篇の批評文。欧米留学帰国後から死の直前まで、衣食住から社会と自然まで。批評文でたどるその人生と思想。

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著者 高村光太郎
書名 美と生命――高村光太郎批評文集(合冊版)
刊行 2025年11月
分量 約25万字

●目 次

生命の創造(1956)※リンク先に全文掲載
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彫刻の面白味(1910)
真に鑑賞する心(1911)
趣味という事(1912)
純一な芸術が欲しい(1912)
芋と南瓜の触感(1912)
女みずから考えよ(1913)
女の生きて行く道(1913)
日本画に対する感想(1913)
家具及住宅の美(1917)
所謂好趣味の人たるなかれ(1917)
芸術雑話(1917)
岩石のような性格(1918)
令嬢の美しさと女優の美しさ(1919)
芸術鑑賞その他(1919)
家(1921)
日常の瑣事にいのちあれ(1922)
顔(1924)
自刻木版の魅力(1925)
彫刻的なるもの(1925)
ルイ十六世所刑の図(1926)
彫刻十個条(1926)
雑記帳より(1927)
人 の 首(1927)
触覚の世界(1928)
生きた言葉(1929)
装幀について(1931)
夜 の 海(1931)
日本の秋と文学(1931)
七つの芸術(1932)
詩人の知った事ではない(1933)
新茶の幻想(1935)
画に於ける詩精神(1936)
芸術する心(1936)
写生の二面(1937)
小刀の味(1938)
能面の彫刻美(1938)
美意識について(1938)
蟻と遊ぶ(1938)
比例均衡(1938)
手(1938)
某月某日 〈人間力の獰猛さ〉(1939)
智恵子の切抜絵(1939)
某月某日 〈狂気と純粋性〉
ほ く ろ(1939)
書について(1939)
某月某日 〈一つの型〉(1939)
彫刻性について(1939)
普遍と独自(1940)
しゃっくり病(1940)
言葉の事(1940)
某月某日 〈人間内部の矛盾撞着〉(1940)
自分と詩との関係(1940)
春さきの好物(1940)
芸術上の良知(1940)
蝉の美と造型(1940)
美の健康性(1940)
智恵子の半生(1940)
永遠の感覚(1941)
美の影響力(1941)
素人玄人(1941)
某月某日 〈自分の詩〉(1941)
美を求める慾望(1941)
美を失った職場(1941)
七月の言葉(1942)
美の日本的源泉(1942)
詩と表現(1943)
言葉の美しさ(1943)
彫刻その他(1943)
エジプト彫刻の話(1944)
能の彫刻美(1944)
季節のきびしさ(1948)
美しい生活(1951)
山の雪(1951)
新春雑談(1952)
芸術と農業(1952)
たべものの話(1952)
おろかなる都(1952)
南沢座談(1953)
人体について(1953)
美と真実の生活(1953)
農にほこりを持て(1953)
書の深淵(1953)
話言葉としての日本語(1956)
アンケート(1915-1935)
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初出一覧
高村光太郎略年譜

●著者紹介

高村光太郎(たかむら・こうたろう/1883-1956)
詩人・彫刻家。東京美術学校彫刻科(木彫)卒業。のち渡米を決意し、洋画科に再入学。1906年から1909年にかけて、ニューヨーク、ロンドン、パリに滞在し、イタリア旅行を経て帰国。岸田劉生らとヒュウザン会を結成。1945年の空襲で東京本郷のアトリエが焼け、岩手に移り移り農耕自炊の生活を始める(1952年帰京)。代表的彫刻作品に「手」「乙女の像」などがあり、著作には『道程』『智恵子抄』などの著名な詩集のほかに美術評論『印象主義の思想と芸術』『美について』や随筆『独居自炊』『山の四季』などがある。