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アメリカのユートピア――二重権力と国民皆兵制

あのジェイムソンがユートピアとして提唱する国民皆兵制?!――ジジェクが、柄谷が応答する

解放された社会に関する左翼のスタンダードな観念をジェイムソンが根本的に問い直す問題作。「多くの左翼がこの本で出会うものにぞっとするだろう。有名な映画のタイトルを引くなら《流血があるだろう》。だが、左翼にもう一度チャンスを与えるためにはそのような(イデオロギー的)血を流さねばならないとしたら?」――スラヴォイ・ジジェク

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著者 フレドリック・ジェイムソン ほか
編者 スラヴォイ・ジジェク
訳者 田尻芳樹 小澤央
書名 アメリカのユートピア 二重権力と国民皆兵制

原書 Fredric Jameson, An American Utopia: Dual Power and the Universal Army, Verso, 2016
体裁・価格 四六判上製 384p 定価3850円(本体3500円+税10%)
刊行 2018年4月
ISBN 978-4-906917-78-5 C0010


●目 次

序言 われわれの夢を検閲する必要  スラヴォイ・ジジェク
1 アメリカのユートピア  フレドリック・ジェイムソン
2 マットとジェフはボタンを押した  キム・スタンリー・ロビンソン
3 二重権力再び  ジョディ・ディーン
4 ユートピアの幸運な偶然  サロジ・ギリ
5 他のシーンから他の国家へ――ジェイムソンの二重権力の弁証法  アゴン・ハムザ
6 日本のユートピア  柄谷行人
7 ジェイムソンと方法――コミック・ユートピアニズムについて  フランク・ルーダ
8 十月の後、二月の前――二重権力の形象  アルベルト・トスカーノ
9 ユートピア的セラピー――労働、非労働、政治的想像力  キャシー・ウィークス
10 想像力の種子  スラヴォイ・ジジェク
アメリカのユートピア エピローグ  フレドリック・ジェイムソン
原注
訳者あとがき
索引(人名・事項、出版物・作品名)

●著訳者紹介

Fredric Jameson(フレドリック・ジェイムソン) 1934年生まれ。アメリカのマルクス主義文学批評家。デューク大学教授。『弁証法的批評の冒険』(1971)『政治的無意識』(1981)『のちに生まれる者へ』(1988)『ポストモダニズム』(1991、未邦訳)『未来の考古学』(2005)など著書多数。

Slavoj Žižek(スラヴォイ・ジジェク) 1949年生まれ。ラカン派精神分析に基づいた哲学論、政治理論、大衆文化論で知られるスロヴェニアの哲学者。リュブリアナ大学社会学・哲学研究所上級研究員。『イデオロギーの崇高な対象』(1989)『汝の症候を楽しめ』(1992)『パララックス・ヴュー』(2006)など著書多数。

田尻芳樹(たじり・よしき) 1964年生まれ。東京大学教授。専攻、イギリス文学。著書にSamuel Beckett and the Prosthetic Body(Palgrave Macmillan, 2007)『ベケットとその仲間たち』(論創社、2009)共編著に『混沌と抗戦――三島由紀夫と日本、そして世界』(水声社、2016)訳書にJ・M・クッツェー『世界文学論集』(みすず書房、2015)など。

小澤央(おざわ・ひさし) 1983年生まれ。明治大学専任講師。専攻、イギリス文学。論文に“John and Ishi,‘Savage’Visitors to‘Civilization’: A Reconsideration of Aldous Huxley's Brave New World, Imperialism and Anthropology”(Aldous Huxley Annual Vol.12/13, 2014)“Identity Paradoxes: The Self and Others in the Literature of Aldous Huxley”(Ph.D.Thesis,King's College London,2016)など