近世日本哲学史 幕末から明治維新の啓蒙思想 日本哲学の発生を克明に描く唯一の書 「本書は日本の啓蒙哲学の形成を学問的に取扱った殆ど唯一のモノグラフィーとして永く学界に銘記さるべき労作である。」 ――丸山眞男評 平等と自由の思想、実証主義、個人主義はどのように日本に導入されたか。 先覚者の群像と近代高等教育機関の起源。 『西周哲学著作集』の編纂者による博捜の成果。 |
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* 同時刊行姉妹版。 『日本哲学の黎明期』
著者 麻生義輝
書名 近世日本哲学史 幕末から明治維新の啓蒙思想
体裁・価格 A5判上製 320p 定価6050円(本体5500円+税10%)
刊行日 2008年7月30日
ISBN 978-4-902854-48-0 C0010
著者紹介
麻生義輝 (あそう・よしてる)
1901(明治34)年、大分県生まれ。1938(昭和13)年、歿。美学者、日本哲学史家。東京帝国大学美学科卒業。クロポトキン主義のアナーキストとして、1927(昭和2)年、文芸解放社に参加。1930(昭和5)年、帝国音楽学校教授。1932(昭和7)年、帝国美術学校教授。日本における西洋哲学移入史を研究し、『西周哲学著作集』を編纂した。
目 次
総 説
第一編 序 論
第一章 西洋哲学渡来前史
第二章 新大学(蕃書調所)の設立
第三章 学徒の海外渡航
第二編 幕末に於ける哲学研究
第一章 文久二年(一八六二年)の哲学講義
第二章 オランダ哲学の東漸
第三章 慶応年間に於ける哲学
一 江戸の諸学者の活動
二 京都に於ける哲学研究
三 諸外国との接触
第三編 明治維新直後の哲学研究
第一章 啓蒙思想の展開
一 維新思想と復古思想
二 四民平等思想の発生
三 英仏哲学の隆行
第二章 研究機関の整備拡張
一 諸学校の建設
二 旧大学(昌平黌)の復活と閉鎖
三 新大学(開成所)の復興と発展
第三章 哲学諸分野の研究
一 明治四年の哲学草案
二 御談話会の哲学史的意義
三 社会哲学研究の萌芽
第四編 啓蒙哲学の構成
第一章 学会の組織
一 洋学者の集団明六社
二 洋々社と旧雨社
第二章 哲学研究の諸成果
一 論理学の研究
二 論理学の実際的応用
三 心理学書の刊行(明治八年)
四 政治哲学の全盛
第五編 啓蒙学派の分化
第一章 啓蒙哲学の内部的革進
一 民権派哲学の擡頭
二 修身学の構成
第二章 新哲学派の登場
一 大学の進化論哲学
二 西南の役と哲学思想の転換