仏 陀――その生涯、教理、教団
ニーチェが読んで刺激されたブッダ論
ブッダ研究の世界的古典。ブッダの歴史的存在と原始仏教の姿を文献的に立証。1881年の初版以来名声を博し、数度の改訂を経て、英語版、ドイツ語版原典は今なおペーパーバックで読み継がれる記念碑的名著。
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著者 ヘルマン・オルデンベルク
訳者 木村泰賢 景山哲雄
書名 仏 陀
その生涯、教理、教団
体裁・価格 A5判上製 384p 定価7150円(本体6500円+税10%)
刊行日 2011年5月30日
ISBN 978-4-902854-86-2 C0015
●著者紹介
ヘルマン・オルデンベルク
(Hermann Oldenberg, 1854-1920)
ドイツのインド学者・仏教学者。キール大学教授(1898)、ゲッティンゲン大学教授(1908)としてパーリ語および仏教学を講じた。パーリ語仏典研究においてリス・デイヴィッズ(Th.W.Rhys Davids)と並んで先駆者的な役割を果たし、律蔵(Vinaya Pitaka)の全ての原典を校訂出版した(1879-83)。本書はブッダの歴史的存在を文献的に立証した著作として名声を博して版を重ね、現在でも英語版、ドイツ語版原典は古典として読み継がれている。本書以外の主著に、Die Religion des VedaやDie Lehre der Upanishaden und die Anfäge des Buddhismusなどがある。
●訳者紹介
木村泰賢…… インド学者・仏教学者。東京帝国大学印度哲学科卒業。『印度六派哲学』(1915)で学士院賞を受賞。イギリス留学を経て、『阿毘達磨論の研究』(1922)で文学博士号を受ける。1923年より1930年に急逝するまで東京帝国大学印度哲学科教授。
景山哲雄…… ショーペンハウアー研究者。翻訳書に、ゾンバルト『社会学』(1924)、ショーペンハウアー『充足根拠の原理』(1924)『天然の意志』(1925)『美の形而上学』(1926)『道徳の形而上学』(1928)『倫理の二つの根本問題』(1928)などがある。
●本書について
本書の原書は Hermann Oldenberg 著 Buddha : Sein Leben, seine Lehre, seine Gemeinde.(初版1881, Verlag von Wilhelm Hertz, Berlin)であり、底本は木村泰賢・景山哲雄共訳『仏陀』(初版1928年、大雄閣)である。本書は、新漢字標準字体、新仮名遣い等により表記の現代化をはかった版である。
訳者木村泰賢による本書の紹介(本書序文より)――
「オルデンベルク氏の『仏陀とその教理』は或る意味に於て原始仏教に関する標準的研究書である。初版出版以来すでに約半世紀を経ているに関らず――この間に数次の訂正増補を経たとはいえ――今なお斯学に関する最高権威を以て目され、ほとんど古典化の域にまで高められたものである。勿論、厳格に云えば、本書は最新の研究書ではないから、今日の立場からすればこの間に首肯し難き個所も尠
(すくな)くはなく、かつ余りに批評的ならんことを期した結果として、冷静過ぎて却って皮肉と思わるる解釈もありて、少なくも個々の点からすれば吾等の賛同し難い所も決して尠くはない。しかしこれを全体として見れば、その体系に於て、解釈法に於て、問題の取扱方に於て、他の追随を許さぬ特長を具備し、あらゆる類書中、嶄然頭角を抜くものであることは争うべからざる定説である。かくて、この書は今や、その所説に従うか否かは別問題として、いやしくも原始仏教を研究せんとする人にありては、少なくも一と度びは必ず通過すべきの関門を以て目せらるるものとなったのである。」
●目 次
●緒 論……………………………………………………
1 インドと仏教
西インドと東インド バラモン族
2 仏陀以前に於けるインドの汎神教と厭世観
犠牲の信条 絶待
絶待と物質世界
厭世観 輪廻 解脱
誘惑者 梵天 仏教と僧ぎゃ哲学
3 禁欲主義 僧団
詭 弁
●第一篇 仏陀の生涯……………………………………
1 伝説の性質 古譚と神話
2 仏陀の少時
3 教化の開始
ベナレスの説教
その後の帰依
4 仏陀の事業
仏陀の日常生活
仏陀の弟子
女 人
仏陀の敵
仏陀の説教法
5 仏陀の入滅
●第二篇 仏教の教理……………………………………
1 苦 諦
四聖諦 第一諦と仏教の厭世観
2 集諦と滅諦
因果系の定式
因果系の第三節
因果系の第四節ないし第十一節
因果系の第一節と第二節
有と遷流 実体と形式
霊 魂
聖者 我 涅槃
3 道 諦
隣人に対する義務
自己内心の道徳修養
悪魔マーラ
聖道の最終階段 正定 聖者と仏陀
●第三篇 仏弟子の教団…………………………………
教団法と法典
教団と教区 入団と退団
所有 衣服 住居 扶持
祭 式
尼僧の教団
教団と俗人