反訓詁学
平安和歌史をもとめて
●「平安和歌史」はこれまで存在していなかった
貫之から俊成女まで、歌の内在的読解から平安和歌史を構造的に呈示する初の試み。平安和歌を構造的に関係づける視点として桜の花をめぐる「貫之のカノン」を発見。統一的な視点から描き出した平安和歌史の構造が、平安和歌史の真の主役は誰であるかを明るみに出す。
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著者
山田哲平
書名
反訓詁学 平安和歌史をもとめて
体裁・価格
A5判並製 288p 定価2420円(本体2200円+税10%)
刊行
2017年1月
ISBN
978-4-906917-63-1 C0092
構成・編集協力
柿谷浩一
●著者紹介
明治大学法学部教授。1946年東京生まれ。東京都立大学大学院修士課程修了。専門は比較文化史。
●目 次
序
●第一章 平安和歌史概観
大陸と列島
平安和歌史は、貫之に始まり俊成女で終わる
●第二章 日本はいかにして中国から離脱したか
入れ子構造の貫之の和歌
空間から地政学へ、そして日本文化創設
●第三章 貫之と永遠
春の遍在の発見
月光の遍在
遍在から永遠へ
永遠の桜
●第四章 伊勢 怒濤と超出
越境する桜 伊勢と貫之
梅か桜か
実在と意識
天空への飛翔 垂直
いっそうのこと
怒 濤
男と女
●第五章 復古歌人としての崇徳院
貫之カノンの遵法
敗退する復古
運命への確信
祈 願
弱者への共感
照 射
覚醒と来世
●第六章 式子内親王 隣接の孤絶
縮滅する世界の中で
水の変遷(透明―鏡―水滴)
掠めていく春
その他の夏・秋・冬の歌
知らないこと
目覚めていること
●第七章 須磨・明石 貫之から俊成女へ
●第八章 俊成女 月
『無名草子』の月をめぐって
月は心身分離の機能を持つ
月光の水中への入射
遠さへの透明
●第九章 俊成女 桜と梅
桜
梅
●第十章 俊成女 仏法と桜
道具か俊成女か
夜桜の忌避
俊成女の夜桜の歌
まとめ
●間章 出会わない眼差し
●第十一章 俊成女 昇華と超越
結晶体と橋姫
古里の夢
粗末な板張りの屋根と金剛心
野中の清水
「心永さ」とは
●第十二章 二つの建物と「忘れがたき節」
廃墟の思想
「忘れがたき節」