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カフカからカフカへ

文学と死への権利――ブランショ自選カフカ論集成

孤高の文芸批評家ブランショが唯一単独の作家論集として刊行した書。ブランショ理解の鍵とされる長篇論考「文学と死への権利」を収録。広く読まれるカフカの文学を通してブランショの特異な文学理論が開かれる。


著者 モーリス・ブランショ (Maurice Blanchot)
訳者 山邑久仁子
書名 カフカからカフカへ
体裁・価格 四六判上製 320p 定価3960円(本体3600円+税10%)
刊行日 2013年10月20日
ISBN 978-4-906917-18-1 C0098


●著者紹介

モーリス・ブランショ

1907年9月22日、フランス、ソーヌ・エ・ロワール県のキャンに生まれる。1941年、最初の小説『謎の男トマ』を出版、同年より『ジュルナル・デ・デバ』紙で文芸時評の連載を開始。評論集『文学はいかにして可能か』(1942)、『踏みはずし』(1943)、『火の境界』(1949)、『文学空間』(1955)、『来たるべき書物』(1959)などにおいて、文学と言語、死を考察する比類なき文学理念を構築するいっぽう小説の創作も行ない、『アミナダブ』(1942)、『至高者』(1948)、『死の宣告』(1948)、『謎の男トマ(新版)』(1950)、『望みのときに』(1951)、『永遠の繰言』(1951)、『私についてこなかった男』(1953)、『最後の人』(1957)、『期待・忘却』(1962)などを出版。

後期の著作に、『終わりなき対話』(1969)、『友愛』(1971)、『彼方へ一歩も』(1973)、『災厄のエクリチュール』(1980)、『明かしえぬ共同体』(1983)など。2003年2月20日死去。

●訳者紹介

山邑久仁子 (やまむら・くにこ)

上智大学外国語学部フランス語学科卒業。同大学大学院文学研究科フランス文学専攻博士後期課程満期退学。現在、上智大学、桐朋学園大学他非常勤講師。訳書に『言語と文学』(ブランショ著「文学はいかにして可能か」他二篇)(共訳、書肆心水、2004年)、『ケルト神話の世界』(ブレキリアン著、共訳、中央公論社、1998年)など。

●目 次

文学と死への権利
カフカを読む
カフカと文学
カフカと作品の要請
自足した死
カフカとブロート
ミレナの挫折
語りの声 (「彼」、中性的なもの)
木の橋 (反復、中性的なもの)
最後の言葉
究極の最後の言葉