内山完造著 内山完造批評文集 両 辺 倒 中国人的政治・経済感覚の古層 日本人は一辺倒、中国人は両辺倒 (りゃんぺんとう) 現代日中文化交流のさきがけ、上海内山書店主人の漫談選集。 中国的「安全保障」感覚の根柢が四千年の庶民的生活感覚のなかに見える。 波立つ時局的表層の下を流れる民族心性の底流、中国人の「二本建て主義」とは何か。 |
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著者 内山完造
書名 内山完造批評文集 両辺倒 中国人的政治・経済感覚の古層
体裁・価格 四六判上製 320p 定価3850円(本体3500円+税10%)
刊行日 2011年3月30日
ISBN 978-4-902854-84-8 C0095
●著者紹介
内山完造 (うちやま・かんぞう)
1885年生、1959年歿。上海内山書店経営者。日中文化交流の功労者。1913年、大学目薬の海外出張員となり上海へ渡航。1927年、魯迅と出会い、以後親交を結ぶ。1935年、魯迅の序文を附した『生ける支那の姿』を処女出版。その後「中国漫談」を集めた随筆集を多数刊行。1945年、上海内山書店を閉鎖。1947年、35年の中国生活に終止符を打ち日本に戻る。1949年、日中友好協会の設立に際し理事長となる。中国との講和を主張し単独講和反対運動を推進し続けた。自伝『花甲録』(1960年、岩波書店刊)。
●本書について
本書は、内山完造の数多ある批評的エッセーのなかから「中国人的政治・経済感覚の古層」をめぐる話を選出して書肆心水が一書にまとめたものである。収録した文章は、『両辺倒』および『生ける支那の姿』、『平均有銭』、『そんへえ・おおへえ』から選ばれている。さらに、巻頭に『生ける支那の姿』に寄せられた魯迅の序文を収め、巻末には附録として内山の自己紹介といった趣きの「上海内山書店」を収めた。
●目 次
内山完造著『生ける支那の姿』への序文 …… 魯迅
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両辺倒 (りゃんぺんとう)
日本人と中国人と
スガ眼がくせ者
不敗の方法
理解の難しさ
外交の妙
民族魂
中国人と時間
現実に立つことだ
相対的考え方
主観と客観
小買が割安
人柄が値になる
木と竹
礼を云うと親切が消える
針の先と拳骨
相対性
単純と複雑
天命を待つのだ
二本建てだ
踏み込んだ一足
好い人は兵にはならん
説明の簡易化
中国共産党と中国人
島には根がある
中国式
幇の一つ
残 飯
も一つの残飯
行詰りがない話
人民裁判
彼等は大人だ
平均有銭人
円満具足
多数主体
錬れた人間だ
結 論
倒れた官僚
寄生虫の話
化石的ではない
先ず満腹せしめよ
私の疑問
偶然漫語
中国の教科書
生命と権利
三つの根性
同文の悲哀
光栄之人
驚嘆に値いする
無意識から意識へ
一金とは何のことか
頭が下る
再び誤ることなかれ
理解ある家主
約束について
(附録)上海内山書店