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他力の自由――浄土門仏教論集成

自他二分の分別を離れ、任せ切り頼り切る自由

民芸思想家として知られる柳宗悦の根底にある他力の思想、浄土門=他力門関係の随筆を集成。自己から解き放たれる宗教的な「他力の自由」が民芸の美と同一であり、それこそが真の民衆救済であることを示す、柳宗悦宗教思想の核心。

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著者 柳宗悦
書名 他力の自由 浄土門仏教論集成
体裁・価格 A5判上製 352p 定価7590円(本体6900円+税10%)
刊行 2016年11月
ISBN 978-4-906917-61-7 C0015

●著者紹介

柳宗悦(やなぎ・むねよし) 1889年生、1961年歿。民芸研究家・宗教思想家。東京帝国大学文科大学哲学科卒業。雑誌『白樺』創刊に参画。「民芸」という言葉を造り民芸運動を提唱。調査収集と各種の展覧会開催を推進。1936年東京駒場に日本民芸館を設立。

●本書について

本書は柳宗悦の他力門(浄土門)仏教関係の文章のうち単行本『南無阿弥陀仏』『妙好人因幡の源左』以外の随筆文を集めたものである。部分的に重複する話題もあるが、他力門関係の文章の集成を企図したものであるので、省かずに収録し、発表された順に配列した。書肆心水既刊『柳宗悦セレクション 仏教美学の提唱』との重複収録はない。

●目 次

徳川時代の仏教を想う
堪忍の教え ―― 道徳と宗教
『妙好人才市の歌(一)』序
才市の歌
宗教的自由
因幡の源左
妙好人の話
妙好人の存在
『一遍聖絵 六条縁起』序
心ひかれる時宗
妙好人の入信
真宗素描
仏教に帰る
一遍上人
一遍上人の話
真宗の説教
信者の答え
妙好人源左
仮名法語の有り難さ
「無我」の教え
神と仏
地獄極楽
信女おその
一遍上人と顕意上人
老・病・死
善悪の別
「応無所住」の話
安心について
仏教と悪
馬鹿で馬鹿でない話
妙好人の辞世の歌
受け取り方の名人
昼と夜 ―― 病中思索
市太郎語録紹介 ―― 妙好人の本
東西南北
陀羅尼の功徳 ――「ただ」称名し、「ただ」読経する意味について
『柳宗悦宗教選集4』新版序
妙好人
『妙好人 因幡の源左』新版序
地蔵菩薩のことなど
来迎の思想
三首の法歌
奴 ―― 自力・他力の相会う一点
無対辞文化
本来清浄
仏書の文字(未定稿)―― 和讃と御文
『妙好人 物種吉兵衛語録』序

附 録
宗教と生活
〔私の宗教〕