〈戦前戦中〉外交官の見た回教世界――笠間杲雄著作選集
初代イラン全権公使の体験的イスラーム世界論
日本人エリートは近代化へと向かう両大戦間期のイスラーム世界をどのように見ていたか。「アジア興隆の指導者を以て任ずる日本国民」の「認識不足を是正する目的を以て書かれた」諸著作中のイスラーム論を集成。中東から、東南アジア、満洲まで、「東洋」として位置づけられた「回教圏」。
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著者 笠間杲雄
書名 〈戦前戦中〉外交官の見た回教世界――笠間杲雄著作選集
体裁・価格 A5判上製 384p 定価7590円(本体6900円+税10%)
刊行 2018年11月
ISBN 978-4-906917-85-3 C0022
●本書について
本書は笠間杲雄が著した以下の著書から本書書名に適う部分を集めて一書にしたものである。
・『回教徒』1939年、岩波書店刊行(岩波新書)
・『沙漠の国』1935年、岩波書店刊行
・『青刷飛脚』1941年、六興商会出版部刊行
・『大東亜の回教徒』1943年、六興商会出版部刊行
『回教徒』は本文のすべてを収録した。「回教雑聞」の部は『青刷飛脚』中の「回教雑聞」の章である。
目次PDF
●著者紹介
笠間杲雄(かさま・あきお) 1885年生、1945年歿。特命全権公使。法学博士。
東京に生まれ、金沢で育つ。一高を経て1909年東京帝大法科卒業。鉄道省に入り、1918年外務省に移る。1923年在伊大使館書記官として赴任、トルコのコンスタンチノープルに日本外交代表として駐在。続いてルーマニア代理公使としてブカレストに駐在。1925年帰朝、在仏大使館参事官に任命され、国際連盟の国際労働機関日本代表としてジュネーブに駐在。1928年ペルシア(イラン)初代全権公使としてテヘランに駐箚。1932年ポルトガル初代公使としてリスボンに駐箚。1934年帰朝。翌年日埃通商条約日本全権としてカイロ出張、1936年帰朝。東京帝大に提出した『国際河川航行論』(仏文)により学位取得。1938年退官。1938年発足の国策調査研究機関太平洋協会理事在職中に開戦となり、陸軍司政長官としてボルネオに赴任。1945年4月1日シンガポールから輸送船阿波丸で帰国の途中、阿波丸が米潜水艦に撃沈されて落命。