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第二次欧洲大戦 前史と緒戦――外交・思潮・人物像

リベラリストの同時代認識

第二次欧洲大戦が「戦闘なき戦争」と言われた頃。開戦はいかなる経緯、判断、展望においてなされたか。武力戦であるよりもむしろ外交戦に虚々実々の努力が払われた「宣戦布告の伴った外交」の分析。戦前のリベラリズム批評を代表する清沢が「戦争は善と悪との衝突ではない、正義と正義との衝突である」として、ヒトラーに対してさえも公平たらんとした同時代批評。

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著者 清沢洌
書名 第二次欧洲大戦 前史と緒戦――外交・思潮・人物像
体裁・価格 A5判上製 320p 定価7590円(本体6900円+税10%)
刊行 2020年6月
ISBN 978-4-910213-04-0 C0020

目 次



第一篇 戦争の前奏と背景

第一 第二次欧洲大戦の勃発
第二 ナチ外交の理論と実際
第三 ヴェルサイユからナチ膨脹まで
第四 ミュンヘン会議前後
第五 チェコ合併から破局まで

第二篇 戦争突入以後

第一 開戦直前の裏面外交
第二 戦争の進行と英独の主張
第三 第一次大戦との比較
第四 和平の条件と工作
第五 交戦国の宣伝戦
第六 戦後、世界新秩序の諸案

第三篇 中立国の動向

第一 ソ聯の立場
第二 イタリアの立場
第三 米国の立場
第四 バルカンへの波紋

第四篇 戦争関係の人物

第一 ヒトラー
第二 チェンバレン
第三 ムソリーニ
第四 ジョセフ・ベック
第五 スターリンとモトロフ
第六 ローズヴェルト

後 記

●著者紹介

清沢洌(きよさわ・きよし) 1890年生、1945年歿。外交評論を中心とするジャーナリスト。研成義塾で学んだのちに渡米。働きながらハイスクールと大学で学び、邦字新聞記者となる。帰国して、1920年中外商業新報に入社。1927年東京朝日新聞に移籍。その論調が右翼勢力の攻撃を受け、1929年退社、フリーランスの評論家となる。対米協調論者として知られ、日中全面戦争や日米戦争に反対する立場に立ち、反軍国主義の姿勢を貫いた。著書に『日本外交史』『暗黒日記』(第二次世界大戦後に公刊された戦時中の日記)など多数。