書肆心水・総合ページへ

サド侯爵夫人とその夫

日本におけるサド研究の嚆矢。夫婦関係に注目した、サド論議へのイントロダクション

横暴無類の変質者によくかしずいた「天使のような純情の女性」。長く獄中にあったサドに妻が送った手紙を多数引用し、物語風に記された簡潔な夫妻の評伝。「サド侯爵夫人」「愛の異端者サド」の二部構成。第二部のサド篇では『ソドムの百二十日』他、サドの主要著作の梗概と歴史的背景を紹介。日本で初めて本格的にサドを論じた記念碑的著作。

ここのリンク先で本書のなかをご覧いただけます(PDFファイル)


著者 式場隆三郎
書名 サド侯爵夫人とその夫
体裁・価格 A5判上製 256p 定価6930円(本体6300円+税10%)
刊行 2020年12月
ISBN 978-4-910213-10-1 C0023

●目 次

はしがき

サド侯爵夫人

悲劇の発端
必死の闘い
マドモワゼル・ルーセ
試練に立つ聖女
自己犠牲を貫いて

愛の異端者サド

孤独な異端者
逃亡する女
悪の陶酔
時代粧
血と肉と
怖るべき芸術
英雄と天才
愛の異教徒

年 譜
あとがき
注(書肆心水)

●著者紹介

式場隆三郎(しきば・りゅうざぶろう)1898年生、1965年歿。精神科医、芸術評論家。新潟県出身。新潟医学専門学校(現新潟大学医学部)卒業。医学博士。静岡脳病院院長等を経て式場病院を開設。白樺派の影響を受け、医学の傍ら柳宗悦らの民芸運動に参加。画家山下清に注目し、その後援者となる。著訳書は非常に多く、著書にはよく知られた『二笑亭綺譚』のほかに『フアン・ホツホの生涯と精神病』『バーナード・リーチ』『ロートレック』『ゴヤ』、書肆心水再編集復刻版に『民芸の意味』がある。