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玄洋社怪人伝――頭山満とその一派

気取った権力に怪しく迫る

頭山満、来島恒喜、杉山茂丸、内田良平、奈良原至、進藤喜平太。本人の談話や自伝的著作、近親者による評伝から特に面白い話を選んで構成したアンソロジー。伝説的存在、来島恒喜の大隈重信襲撃事件に至る経緯と事件の詳細を記録した『来島恒喜』(的野半介監修)、玄洋社人物伝の定番『近世快人伝』(夢野久作著)の主要部分も収録。

●関連書 頭山満思想集成

ここのリンク先で本書のなかをご覧いただけます(PDFファイル)


著者 頭山満・的野半介・杉山茂丸・内田良平・夢野久作
書名 玄洋社怪人伝 頭山満とその一派
体裁・価格 A5判上製 320p 定価4180円(本体3800円+税10%)
刊行日 2013年10月10日
ISBN 978-4-906917-17-4 C0023

●本書について

本書は、玄洋社を代表する頭山満とその一派の行動、人となりを伝える文章を集めたものです。杉山茂丸はある時期から玄洋社を離れて杉山個人として行動しましたが、杉山の葬儀が玄洋社葬としておこなわれたことからも分るように、終生頭山満との強い関係において活動しました。内田良平もある時期から黒龍会の主催者としての活動を主とするようになりましたが、内田の活動もまた常に玄洋社の頭山満と強く結びついたものでした。本書ではこの二人も広義の玄洋社に属するものと考えて、「玄洋社怪人伝」の書名にて全体をくくりました。

なお、本書に収めた文章のうち、頭山満本人の談話、杉山茂丸本人の著作の抄録、内田良平の部の二篇は、2008年に書肆心水より刊行した『アジア主義者たちの声(上)』にも収めたものです。(同書収録内容のうち犬養毅の部を除いた本文のほとんどが本書にも収録されています。)同書はしばらく前から品切ですので、同書ご入手ご希望の方は本書をその代わりにお求めいただければ幸いです。既に『アジア主義者たちの声(上)』をお読みの方は、本書の収録内容をよくご確認いただいてからお求めになられますようお願い致します。



●目 次

頭山満の部

●頭山満 ―― 夢野久作 著
●頭山満談話選 ―― 頭山 満 談
   明治十年戦争の翌年、板垣退助との交渉
   金玉均とのこと
   大隈重信要撃の爆弾を大井憲太郎に乞う
   来島事件で取り調べ
   辛亥革命に際しての渡支
   日華同盟条約
   日本の世界に対する大使命
●大きなボイラー、頭山満 ―― 杉山茂丸 談

来島恒喜の部

●『来島恒喜』抄 ―― 的野半介 監修
   大隈案に対する反対運動と恒喜の出京
   恒喜の決心と爆裂弾準備の運動
   霞関の一撃
   爆弾と同志の引致
   弾爆の反響
   恒喜の葬儀及び墳墓
   性 格
   国士の典型

杉山茂丸の部

●天下の鬼才、杉山茂丸 ―― 頭山 満 談
●『百 魔』抄 ―― 杉山茂丸 著
   同郷の偉人頭山満氏との初対面
   平岡浩太郎氏と初対面の悲喜劇
   大隈外相爆弾事件の嫌疑で
●『俗戦国策』抄 ―― 杉山茂丸 著
   東亜の大経綸と大官の密議
   一億三千万ドル借款事件
   決死の苦諫、伊藤公に自決を迫る
●『其日庵叢書』抄 ―― 杉山茂丸 著
   人生と迷信
   迷信と幸福
●杉山茂丸 ―― 夢野久作 著
●父杉山茂丸を語る ―― 夢野久作 著

内田良平の部

●日韓合併思い出話 ―― 内田良平 談 夢野久作 著
●『硬石五拾年譜』抄 ―― 内田良平 著
   朝鮮の東学党と天佑侠
   シベリア渡航と露兵との相撲
   ウラジオストックの道場設立と支那人との試合
   シベリア横断旅行
   露都滞在と帰国

奈良原至の部

●奈良原到(ママ) ―― 夢野久作 著

進藤喜平太の部

●玄洋社長進藤喜平太翁 ―― 夢野久作 著