Shoshi Shinsui




『モモ』と考える時間とお金の秘密

「なぜなら時間とはいのちだからです。そしていのちは心に住まうのです。」
(ミヒャエル・エンデ『MOMO』)


時間とお金がもっている、よく考えれば不思議でもあり恐ろしくもある「神秘」の正体とは?

「仕事への引きこもり」と「自室への引きこもり」へと世間が二極分化し、そのはざまでフリーター、うつ病が増加している……。身近でも世界でも世の中がイライラしていることの深いわけを、エンデの『モモ』といっしょに、「経済・社会・文化の問題」=「時間の問題」として考えてみませんか?

「価値形態論」と「物象化論」の視角もまじえたユニークな本格謎解き。

『モモ』の語りとエンデの語りをひきながら、『モモ』未読の人も「なるほど」と読める、『モモ』的世界像への招待。

「時間がない」とはどういうことなのだろうか?

   

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著者 境 毅
書名 『モモ』と考える時間とお金の秘密 
体裁・価格 四六判上製 288p 定価2860円(本体2600円+税10%)
刊行日 2005年3月30日
ISBN 4-902854-04-X C0036


著者紹介 境 毅 (さかい・たけし)

1988年 京都協同組合運動研究会の会員となり、エル・コープ設立運動に関わる。
1993年 生活協同組合エル・コープ設立時に理事に就任。
1998年 引きこもりの若者をサポートするNPO法人ニュースタート事務局関西の活動に参加。
2003年 NPO法人ワーカーズ・コレクティブ・サポートセンターを設立し代表者となる。
2004年 エル・コープ理事を退任し、顧問に就任。NPO法人日本スローワーク協会(社会協同組合B型)設立をサポート。

目次

序章 『モモ』
内部と外部/アンチ・ヒーロー/モモとは社会


第一部 時間、いのち、お金

第1章 日常の時間
時間を持てますか/マイスター・ホラのなぞなぞ/それは運動の数/それは精神に刻印された印象


第2章 時間、空間、いのち
時間と空間はつながっている/現存在(人間)がそれなのだ/ハイデッガーの問題点


第3章 ファンタジーとしての時間
一種の音楽/宇宙の時間と人間の時間/時間の花


第4章 時間をつくる
先史時代の発見/人間が時間をつくる/振動としての時間/時間意識の変化


第5章 時間とお金
時間づくりから物づくりへ/オリエントでの都市の形成/ポリスの誕生/アテネの秘密/お金が与えた衝撃/アリストテレスの危惧/時間がお金に


第二部 時間どろぼう

第6章 灰色の男たち
見えない人々/子どもたちの闘いと灰色の男の正体/灰色の男による意志支配/灰色の男たちの生き方


第7章 モモは敗北していた
物語の終幕/灰色の男たちとホラのとりひき/新たなイメージにむけて


第8章 子どもたち
かまってもらえない子どもたち/ビビガール/子どもの家/致死的退屈症


第9章 社会的引きこもり
働けない人たち/社会そのものが病気に/引きこもりとは/スローワーク


第三部 時間貯蓄とお金

第10章 古代の時間貯蓄銀行――神殿
最初の時間貯蓄銀行/古代ギリシアの奴隷制/最初の時間どろぼう/古代ギリシャの時間貯蓄銀行


第11章 中世の時間貯蓄銀行――教会堂
ローマ帝国の遺産/ポスト・ローマ期/中世初期のキリスト教/農民/教会堂建設ブーム


第12章 時間と資本
四つの時間意識/時間の目的/時間貯蓄銀行


第13章 二種類のお金
お金とは何か/現代のお金の弊害/お金の商品化が問題/お金の商品化の実情/現代の時間貯蓄銀行/変動相場制と投機の常態化


第14章 お金の根源
マルクス主義の問題点/お金の秘密/商品からの貨幣の生成/お金は毎日つくられる/お金の謎と物神性/社会的無意識を変えること


第四部 モモの新しい闘い

第15章 モモの新しい村
村人たち/自由の値段/村での暮らし/地域通貨


第16章 迂回作戦
いのちのセーフティネット/ケアと時間/都会の変貌


第五部 新しい思考

第17章 社会有機体
「政治上のユートピア」/文化の捉え方/シュタイナーとのかかわり/シュタイナーとのちがい


第18章 意識の跳躍
二元論にたつ量的思考/客観・主観、二元論の克服/質をどう捉えるか/新しい思考


第19章 エンデと人智学
子安美知子によるシュタイナーの世界/少女モモのリアリティ/エンデとシュタイナー


第20章 科学知と芸術知
形象理念/美とは何か/なぜ子どもたちのために書くのか


第21章 意識の跳躍はすでに起きていた
エンデの提起を活かす/エンデのイメージ/今後の方向性


終章 エンデからのはじまり