日本仏教文化史入門
実証主義仏教史の金字塔『日本仏教史』 全十巻の要約版
確かな実証、面白い話題、とらわれない立場からの批評。「日本文化と仏教の関係を論ずることは、すなわち日本文化史のすべてを論ずることになる」という立場の著者による、日本仏教文化史の概観。
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著者 辻善之助
書名 日本仏教文化史入門
体裁・価格 A5判上製 288p 定価7040円(本体6400円+税10%)
刊行日 2012年1月31日
ISBN 978-4-902854-96-1 C0015
●辻善之助 既刊書 上世日本の仏教文化と政治/
明治仏教史概説
●著者紹介
辻善之助
(つじ・ぜんのすけ)
1877年生、1955年歿。歴史学者。実証的な日本仏教史を確立。1899年東京帝国大学文科大学国史科卒業、同年同大学院進学。1902年東京帝国大学文科大学史料編纂掛入所(1929年史料編纂所初代所長)。1911年東京帝国大学助教授、1923年教授、1938年停年退官。1932年帝国学士院会員。1952年文化勲章受章。
日本仏教史研究において、政治・社会・文化の総合的観点と堅固な実証主義的方法により、それまでの教団史的水準を克服した画期的業績を遺す。研究の集大成である『日本仏教史』(全10巻)のほか『日本仏教史之研究』(正続)、『日本文化史』(全7巻)等多数の著書がある。
●目 次
1. 聖徳太子の出世
2. 奈良時代
3. 思想界ならびに学問芸術界に及ぼせる影響
4. 奈良時代前後・平安時代初期に至る地方文化の発達と仏教
5. 平安時代仏教の日本化
6. 平安時代の日常生活と仏教との融合
7. 平安時代仏教の形式化
8. 鎌倉時代仏教の復興
9. 仏教と社会事業
10. 鎌倉時代平民文化と仏教
11. 鎌倉時代前後に於ける地方文化の発達と仏教
12. 鎌倉・室町時代の経済と仏教
13. 室町時代の学問・芸術と仏教
14. 室町時代地方文化の発達と仏教
15. 室町時代の時代相と仏教
16. 安土桃山時代の仏教
17. 江戸時代の仏教
18. 江戸時代仏教の衰微
●本書について
本書は、辻善之助著『新訂 日本文化と仏教』(1951年、春秋社刊行)を底本として、その文章の全てを収めたものである。表記は新漢字・新仮名遣いに改めた。著者が本書「例言」において「本書の主眼とする所は、日本仏教の文化史的観察を試みその概要を括約せんとするにあり」と述べている事を踏まえ、本版では書名を「日本仏教文化史入門」と改めた。