東洋の論理 空と因明
仏教論理学の精髄
中村元が師事した近代日本仏教学の開拓者、碩学宇井伯寿による仏教論理学の基本文献。因明を本格的に説く今なお唯一の研究書。竜樹(ナーガールジュナ)『中論』、陳那(ディグナーガ)『因明正理門論』、商羯羅塞縛弥(シャンカラスヴァーミン)『因明入正理論』の翻訳を収録。
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著者 宇井伯寿
著者 竜樹(ナーガールジュナ) 陳那(ディグナーガ) 商羯羅塞縛弥(シャンカラスヴァーミン)
書名 東洋の論理 空と因明
体裁・価格 A5判上製 320p 定価6490円(本体5900円+税10%)
刊行 2014年6月
ISBN 978-4-906917-29-7 C0015
●宇井伯寿 既刊書
『仏教哲学の根本問題』 『仏教経典史』 『仏教思潮論』 『禅者列伝』 『インド哲学史』
●著者紹介
宇井伯寿 (うい・はくじゅ)
1882-1963。愛知県出身。インド哲学者、仏教学者。曹洞宗の僧。東京帝国大学文科大学卒業後、ドイツ、イギリスに留学。曹洞宗大学(現駒澤大学)、東北帝国大学、東京帝国大学の各教授を歴任。豊富な文献的知識をもとに緻密で周到な文献学的考証を行う学風で知られ、その業績は学界に大きな影響を与えた。
研究範囲はインド六派哲学から中国・日本の仏教までの広きにわたるが、なかでも初期仏教研究、唯識思想研究を中心とした。著作は前期の代表作『印度哲学研究』6巻、後期の代表作『仏教汎論』2巻のほか、『印度哲学史』、『禅宗史研究』、『摂大乗論研究』など多数。多田等観らとの共著で『西蔵大蔵経総目録』6巻(続刊含め全12巻)もある。弟子に中村元ら。
●目 次
第一部
第一編 空の論理
所謂の八不について
言語と物
空の論理と形式論理学
生と去との問題
空と時との問題
因果問題
有為法
有体の問題
相待性の問題
我の問題
業、輪廻の問題 附 邪見
四諦の問題、空の意義
涅槃と如来との問題
結 論
第二編 因明の論理
因明とは何ぞや
因明の論理と空の論理
陳那の著述
現 量
真現量
似現量
自比量
二 量
自比量
他比量
自比量と他比量
宗
似 宗
宗因相違
因一般
遍是宗法性と不成似因
宗法を立てる理
因の過った立て方
同品と異品
九句因
正 因
相違因
不定因
相違決定
喩
同喩と異喩
二喩の具不具
三支の関係と喩の意義
似 喩
三支作法と三段論法
観離品
十四過類
能立、能破、似能立、似能破
十四過類
結 論
余 論
天主の因明
天主以後の状況
法称の因明
法称以後の状況
第二部
中 論(中之頌) 竜樹著
因明正理門論 陳那著
因明入正理論 商羯羅塞縛弥著