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時枝言語学入門 国語学への道 (附 現代の国語学 ほか)

言語の本質とは何か? 時枝自身による時枝言語学入門

ソシュールらを模倣した近代日本言語学を批判し、日本語に即した日本語研究として構築された、「言語過程説」の由来、精神、方法、歴史。『国語学原論(正続)』『国語学史』以降の時枝思想のエッセンス。近代型普遍化主義の迷妄を学問的に批判しうる特異なポジションにある日本言語学の意義を明らかにする。時枝自身による学問的自伝『国語学への道』に加えて『現代の国語学』および主要著作の序文類を併録。

関連書 時枝誠記論文選 言語過程説とは何か


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著者 時枝誠記
書名 時枝言語学入門 国語学への道 (附 現代の国語学 ほか)
体裁・価格 A5判上製 384p 定価7590円(本体6900円+税10%)
刊行 2018年7月
ISBN 978-4-906917-81-5 C0081

●目 次

I 国語学への道

 はしがき
 旧版のはしがき
 1. 研究者
 2. 国語への関心
 3. 東京大学国語研究室と上田万年、橋本進吉両先生
 4.「日本における言語意識の発達及び言語研究の目的とその方法」
 5. 中等学校の国語科の教壇
 6. 朝鮮の思ひ出(一)
 7. 東京大学国語研究室会における談話――国語学の方法論に対する一の提案
 8.「漢字漢語の摂取に基づく国語上の諸問題」
 9. 国語学演習「中古語研究」の方法と「古典解釈のための日本文法」
 10. 岩波講座「日本文学」中の「国語学史」より単行本「国語学史」へ
 11. 言語観についての宿題と「国語学原論」の成立
 12.「国語学原論」中に示唆する新しい諸問題
 13. 朝鮮の思ひ出(二)
 14. 戦中・戦後
 15.「国語学原論」より「同続篇」へ
 16. 批評の精神
 17. 学者は自殺しない――ある酒場での会話

II 現代の国語学

 はしがき

第一部 近代言語学と国語学
 1. 総 説
 2. 近代ヨーロツパ言語学の性格と国語学の課題
 3. 国語の歴史的研究
 4. 文法研究――その位置づけと対象規定及び品詞分類基準の問題
 5. 方言問題と方言の調査研究、方言区劃論と方言周圏論
 6. 国語問題と国語学

第二部 言語過程説に基づく国語学
 1. 総 説
 2. 言語成立の外部的条件と言語の過程的構造
 3. 伝 達
 4. 言語生活の実態
 5. 言語の機能
 6. 国語の歴史

 あとがき

III 主要書籍序文ほか

 日本文法口語篇
 日本文法文語篇
 文章研究序説
 増訂版 国語問題と国語教育
 国語問題のために――国語問題白書
 改稿 国語教育の方法

●著者紹介

時枝誠記(ときえだ・もとき) 1900年生、1967年歿。国語学者。1925年東京帝国大学国文科卒業。京城帝国大学助教授(1927年)を経て1933年同大学教授。1943年東京帝国大学教授。同年文学博士。1961年定年退官し早稲田大学教授となる。言語過程説を提唱し、国語問題や国語教育にも力を入れた。主著『国語学史』(1940年)『国語学原論』(1941年)『国語学原論続篇』(1955年)のほか、『日本文法口語篇』(1950年)『日本文法文語篇』(1954年)など。