時枝誠記論文選 言語過程説とは何か
言葉が通じない。言葉が通じる。――その間にあるものは何か?
単行本未収録の重要論文から明らかになる言語過程説の全貌。言葉が通じることを前提とした言語学ではなく、言葉がどのようにして通じるものとなるのか、その条件を探求する言語過程説。言語過程説を成り立たせる多様で相互に連関する重要論点を執筆年順に網羅し、その思想の進化と全体像を示す。
関連書 時枝言語学入門 国語学への道
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著者 時枝誠記
書名 時枝誠記論文選 言語過程説とは何か
体裁・価格 A5判上製 384p 定価7920円(本体7200円+税10%)
刊行 2018年8月
ISBN 978-4-906917-82-2 C0081
●目 次
本居宣長及び富士谷成章のてにをは研究に就いて
国語学の体系についての卑見
文の解釈上より見た助詞助動詞
心的過程としての言語本質観
言語に於ける場面の制約について
敬語法及び敬辞法の研究
言語に対する二の立場――主体的立場と観察者的立場
言語の存在条件――主体、場面、素材
国語の特質
言語学と言語史学との関係
国語問題に対する国語学の立場
国語規範論の構想
国語に於ける変の現象について
国語史研究の一構想
対人関係を構成する助詞、助動詞
文法研究における一課題――文の統一について
金田一春彦氏の「不変化助動詞の本質」を読んで
文章研究の要請と課題
詞と辞の連続・非連続の問題
竹岡正夫氏の詞辞論批判に答へる
国語史研究と私の立場
言語・文章の描写機能と思考の表現
●著者紹介
時枝誠記(ときえだ・もとき) 1900年生、1967年歿。国語学者。1925年東京帝国大学国文科卒業。京城帝国大学助教授(1927年)を経て1933年同大学教授。1943年東京帝国大学教授。同年文学博士。1961年定年退官し早稲田大学教授となる。言語過程説を提唱し、国語問題や国語教育にも力を入れた。主著『国語学史』(1940年)『国語学原論』(1941年)『国語学原論続篇』(1955年)のほか、『日本文法口語篇』(1950年)『日本文法文語篇』(1954年)など。