法思想とは何か――法思想を法や法学や法哲学と区別することの意味
法学史でも、法哲学史でもない、法思想史の可能性
「理想論的原理主義」と「程度論的実務主義」の背反関係をこえて、責任ある革新の条件となる法思想の歴史性を見据えた法治へ。法学のための法学をのりこえる尾高法哲学の精神。
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著者 尾高朝雄
書名 法思想とは何か 法思想を法や法学や法哲学と区別することの意味
体裁・価格 A5判上製 256p 定価6930円(本体6300円+税10%)
刊行 2021年3月
ISBN 978-4-910213-13-2 C0032
●尾高朝雄既刊書
天皇制の国民主権とノモス主権論/ノモス主権への法哲学/自由・相対主義・自然法/実定法秩序論/法と世の事実とのずれ
目 次
はしがき
緒論 法思想とは何か
1 法と法思想
2 法学と法思想
3 法哲学と法思想
第1章 法思想のとらえ方
1 法思想とその表現
2 定型化された社会的行為の意味
3 社会的行為の制度化
4 規範意味と規範意識
5 法の精神
第2章 法思想の類型
1 実力主義の法思想
2 権威主義の法思想
3 個人主義の法思想
4 社会主義の法思想
5 法思想の類型学
第3章 法思想の歴史
1 歴 史
2 法思想の発達
3 唯物史観
4 人間史観
5 歴史観の真実性
索 引
●著者紹介
尾高朝雄(おたか・ともお) 1899年生、1956年歿。法哲学者。朝鮮に生まれ東京に育つ。1923年東京帝大法学部卒業後、京都帝大文学部哲学科で学ぶ。京城帝大教授、東京帝大法学部教授(法理学、のち法哲学講座担任)を歴任。欧米留学時代(1928年から1932年)にはウィーンでケルゼンに、フライブルクでフッサールに師事。1956年5月ペニシリン・ショックのため急逝。代表的著書に『国家構造論』(学位論文、1936年)『実定法秩序論』(1942年)『法の窮極に在るもの』(1947年)『法の究極にあるものについての再論』(1949年)『数の政治と理の政治』(1949年)『自由論』(1952年)『国民主権と天皇制』(増補版1954年)がある。また在欧中にオーストリアで刊行したGrundlegung der Lehre vom sozialen Verband〔社会団体論の基礎〕(1932年)はドイツ、オーストリアで高く評価され現在も刊行中(Springer刊)。